20系特集

                 
                 昭和33年10月1日、20系あさかぜの初日。品川客車区。

                  国鉄は近代化を推進すべく昭和32年度から第1次5ヵ年計画を建てた
                 が、その1つに東京〜博多間の夜行特急「あさかぜ」の整備があった。従
                 来の客車の概念にとらわれず新機軸をふんだんに取り入れた車輌、20
                 系は固定編成方式で中間車は密着自動連結器が用いられた。空気調和
                 装置も本格的に導入され窓はHゴムによる固定式となっている。またこれ
                 らに十分な電力を供給するため集中電源方式となり、荷物室にディーゼ
                 ル発電機2台を搭載した。車体は軽量化され、車両限界広げられ、また
                 乗り心地を改善する為に空気バネ台車(TR55)となり、車両相互の横揺
                 れ防止のため車端に油圧横ダンパーが設けられた。この他メーカー競作
                 となった内装デザインも話題となり、「走るホテル」ともてはやされた。
                  昭和33年10月から「あさかぜ」で使用開始された当初は、ナロネ20・
                 ナロネ21・ナハネ20・ナロ20・ナハ20・ナハフ20・ナシ20・マニ20の8
                 形式で構成されたが、日本車輛製は0番代、日立製作所製は50番代と
                 なった。

            ナハ20
                  わずか3両のみが登場した形式で、前位側に売店を設置し、その向い
                 にジュースクーラーと物置を備えた。側窓は1席1窓の狭窓で、座席床面
                 はかさ上げ構造。定員64名。尚ハ・ハフの座席は背ずり固定式の2人用
                 回転腰掛で、方向転換は車端の腰掛から順次行う構造となっており、任
                 意の位置での転換はできない。

                 ナハ20 1
                 
                 昭和33年10月品川客車区。

                 ナハ20 1
                 
                 昭和33年10月品川客車区。

            ナハフ20
                  常時編成の終端(または最前)に連結する目的で製作された車両である。
                 1〜3、51・52は後部窓が平面ガラスで構成されているが以降は1枚曲面
                 ガラスへと変わりますます優美な姿になっている。座席ごとの狭窓で定員6
                 8名半室展望形のサービスを提供している。9両が製造された。

                 ナハフ20 1 あさかぜ
                 
                 昭和33年10月品川客車区。

                 ナハフ20 1 あさかぜ
                 
                 昭和33年10月品川客車区。

                 ナハフ20 2 あさかぜ
                 
                 昭和36年3月広島駅。



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