155系特集ーvol1

                 

                  昭和34年春に登場した修学旅行専用電車である。
                 一般の大口団体旅行の場合は、ある程度閑散期にも分散するため
                 臨時列車の設定も容易であるが、修学旅行の場合は春と秋に集中
                 するので、予備の客車を集めて編成2人掛けの所へ3人掛けで使用
                 する等して定期列車の合間をぬって運転されていた。そのため生徒
                 達の疲労もひどく修学旅行が十分な効果を上げる事ができなかった。
                 これに対してまず昭和32年6月「移動する教室」としてのモデル修学
                 旅行の実験を行い十分な成果を上げ、山陽線姫路まで電化が完成
                 し80系300番代が造備されたのを機に、昭和33年6月1日〜29日
                 に80系10連を使用して品川〜京都間に当時としては特急並みのス
                 ピードで修学旅行電車を実験的に運転した。利用した関係者から大
                 好評だったので、東京都修学旅行協議会と京都・大阪・神戸の中学
                 校修学旅行協議会が中心となって「利用債」を負担、同年10月より設
                 計が開始されたのである。電気部品や基本構造、性能は153系とほ
                 ぼ共通であるが夏季・冬季を除いて年間を通して修学旅行に使用さ
                 ろことを想定して、座席を3人掛けと2人掛けの5人掛けにして中学生
                 専用にされた。特徴としてスピードメーター・飲料水タンク・長テーブル
                 ・テープレコーダーセット・簡易休養席等が設備され細かい点にまで
                 気を配られている。また車体外観はトンネル断面の小さい線区へも入
                 れるように屋根が低くなり、グローブ式ベンチレーターを使用、台車は
                 コイルバネ式DT21A・TR62となっている。外部色や愛称も公募によ
                 り決定、東京発関西往復のものが「ひので」、関西発東京往復のもの
                 が「きぼう」と名づけられ、昭和34年4月20日より「ひので」が品川〜
                 京都に「きぼう」が神戸〜品川間に運転された。


                 

                 

                 

                 

                 
                 以上6点昭和34年3月原宿駅展示会。



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