モハ90系特集

                  こげ茶色で重々しい轟音というイメージの通勤電車の中に、明るいオレ
                 ンジ色で颯爽とモハ90が現れたのは昭和32年6月のことであり、正に
                 新性能電車時代の幕開けにふさわしい登場であった。巨大化するラッシ
                 ュをさばく為には高加速・高減速性能の電車が不可欠とされ、当時の標
                 準形とは全く異なったシステム−台車装架式の小形軽量高速主電動機
                 ・中空軸平行カルダン駆動装置・軽量な車体と台車・多段式主制御機・
                 発電ブレーキと電磁直通空気ブレーキ・2両1ユニットとしたMM’方式な
                 ど−を開発しメーカー4社と大井工場とで各2両ずつ試作され、モハ90と
                 命名された。この10両は100kwの小形MT46ながら8M+2Mとオー
                 ルMの強力編成となり、運転台付きはモハ90 500番台、中間車はモ
                 ハ90 000番台でM車は奇数、M’車は偶数と既に残り少ない従来形
                 式を更に区分して使用した。目を見張るオレンジの車体と広い両開きド
                 ア、MM’2両ユニットでM’のみについたパンタと小形のDT21X台車、
                 大きな箱型通風器と長桁上部に埋め込んだ雨樋、ドア窓や戸袋窓をH
                 ゴム支持を止めアルミ材による押え金支持などにより非常にすっきりし
                 た外観となったがPS13パンタと片持式のほろはそのままだった。


                 
                 
                 昭和32年9月三鷹電車区。

                 モハ90501
                 
                 昭和32年9月三鷹電車区。

                 モハ90502
                 
                 昭和32年9月三鷹電車区。

                 モハ90002
                 
                 昭和32年9月三鷹電車区。

                 モハ90005
                 
                 昭和32年9月三鷹電車区。

                 モハ90502の車内
                 
                 昭和32年9月三鷹電車区。

                 モハ90502の車内
                 
                 昭和32年9月三鷹電車区。

                 モハ90503の運転台
                 
                 昭和32年9月三鷹電車区。




             次へ